「厳しくしつけないと周りに迷惑をかけてしまう」ということ考えたことありませんか。
ダメです!厳しく育てちゃいけません.
「いやいや、厳しく育てないと社会のルールを守れなくなる。」
「甘やかしたら子どもがダメになる。」
「けじめがつかない大人にになってしまう。」
そんな声が聞こえてきそうです。
教職の現場ですら、「あいつは厳しく育てられてこなかったから、こんなにわがままなんだ!」などという言葉が出てくることがあります。それって本当でしょうか。
逆に、「決まりを作りやかましく言わなければ気が済まない」「言いつけた通りにするまで子どもを責め立てる」「行儀をよくするためには罰を与えるのは正しい」「しつけのために子どもをたたくこともある」「悪いことをしたら罰を与えるべき」「できるだけ親の考えの通りに子どもを育てたい」「すべきことをするまで何度でも繰り返し責め立てる」など、トップダウンの強制型しつけスタイルのもとでは、家庭の所得の高低にかかわらず、子どものリテラシー得点と語彙得点が共に低く、家庭の蔵書数も少ないという特徴が見られました。
※「リテラシー」・・・ここでは読み書き能力を表します
「AIに負けない子育て」 著者 内田 信子 出版社 ジアース教育新社 より
※内田 信子先生のインタビュー記事です → https://select.mamastar.jp/66729
「脳科学分野でも強制型のしつけのもとでは記憶力や学習能力が低下してしまうという証拠が見出されている」そうです。(「AIに負けない子育て」より)
私が教職についていた時にいました「とんでもなく切れやすい子」、「傍若無人にふるまう子」「感情が抑えきれずについ手が出てしまう子」・・・
それらの保護者と何度も面談をすると分かった事実・・・厳しすぎる子育てをしていること
特に子どもが悪いことをして、説教をする際に、感情的になって子どもを徹底的に追い詰めてしまう保護者・・・。そんな風に育てられた子は悲惨です。
徹底的に追い詰められたことを自然とまねて、友だちに同じようにしてしまうのです。
そう、いじめです。
「子どもは親の言うことは聞かないが、親のすることはまねする」まさにこれです。
その他にも、授業妨害や学校のルールを守らない、癇癪を起しまくる・・・学校の先生にとって最も扱いにくい児童。親としては、厳しく育てているはずなのに・・・。
親には子どもへの教育の義務があり、子の将来を思えば必死のなるのも致し方ないことですが、冷静さを欠いた教育、しつけは結局のところ子どもを傷つけ、成長の「のびしろ」を縮めてしまうこともあるのです。
「子どもの脳を傷つける親たち」友田明美著 NHK出版新書
子どもは傷つき、自分を守ろうとして攻撃的になる、言い訳や屁理屈で自分を守ろうとするのです。
学校現場に長くいると、多くの「攻撃的な子」「言い訳ばかりする子「屁理屈の鎧で武装でしている子」に遭遇します。その子たちは、家庭で厳しく教育されているんだな・・・とどこか冷めた目で見てしまいます。
しかし、現場では子どもにそのような、素直とは正反対の態度でこられるとつい感情的になってしまいます。
でも冷静になって(怒りをぐっとこらえて)心でつぶやきましょう。
この子は厳しく育てられて自尊心を強く傷つけられたんだな。かわいそうだ。せめて学校では、温かく見守ってあげよう。
厳しく育てると、子どもは知らず知らずのうちに攻撃的になり(特に親のいない場で)、言い訳や屁理屈ばかりを言って先生や親を困らせるようになります。
脳内科医の加藤俊徳先生も書籍の中でこうおっしゃっています。
もし、お子さんが逆切れしたり、不機嫌になったり、泣いたりしてしまう場面が日常茶飯事だと感じるなら、「私は日頃、怖い顔をしていないだろうか」「厳しい態度をとっていないだろうか」と振り返り、親子のコミュニケーションを変えてみてください。怖い顔をしても、厳しいことを言っても、脳にはなにも伝わらないということ。むしろ、「子どもが楽になるような表情で接することが大事なのです。
「子どもの脳がみるみる育つ新習慣」 加藤俊徳著 株式会社kadokawa発行
我が子育ての師匠、佐々木正美先生も手っ取り早く「大声を出す」「鬼を出す」ことで「言うことを聞く子」を育てようとしてもうまくいかないとおっしゃっています。
確かに子どもは、怖い人の言うことは聞きます。それは「怖くない人の言うことは聞かなくてもいい」ということでもあります。犯罪者の成育歴をたどると、親が恐怖を伴ってしつけをしていたケースがほとんどです。ですから、「しかられなければいい」「バレなければいい」という気持ちが育ち、犯罪行為を引き寄せます。とても不幸なことです。
「この子はこの子のままでいいと思える本」 著者 佐々木正美 発行 株式会社 主婦の友社
子どもは厳しく育ててはいけませんね!