よくある話題ですが、早生まれ、遅生まれに有利や不利はあるのですか?
残念ながらあります。一般的には遅生まれの方がメリットが大きいと言えますが…。
小学校の担任の先生はよく、誕生日の一覧をを教室の後ろの掲示欄に貼ります。私もやっていました。すると、子どもが誕生日の日には、「お誕生日おめでとう!」と朝一番に言ってあげることもでき、子どもたちも自然と誕生日を意識するようになります。
そこで、気付くんです。「やっぱりできる子は年度の前半に生まれた子が多いな…。」いわゆる「遅生まれ」の子たちです。
一般的に遅生まれとは4月2日から12月31日生まれのことで、早生まれは1月1日から4月1日までの生まれのことを指します。
あれ?4月2日なんですか?と思いませんでした?そうなんです。4月1日生まれは最も早生まれになるんです。
法律上、満年齢となる日が前日の深夜24時となるそうで、4月1日生まれの満年齢になる日は3月31日の深夜24時になるので、遅生まれの人と同じ学年になります。
つまり平成30年4月1日生まれの子は平成29年4月2日生まれの子と同じ学年になるのです。次の春(令和6年度)には共に小学校の新1年生です。おめでとうございます!
しかし、考えてみてください。凄くないですか?ほぼ1年前に生まれた子と同じ教室にいて、一緒に勉強したり運動したりするんですよ。たった6〜7年間しか生きていない児童にとって1年は人生の14〜16%に相当するんです。50歳のおじさんならたった2%ですよ!同じ1年間でも相当違いますよね。
すると当然遅生まれは有利で、早生まれが不利という現象が起こります。以下の記事をご覧ください。
「早生まれ」やはり不利!運動能力「遅生まれ」が優れている、野球・サッカーも…奈良女子大が科学で裏付け
https://www.sankei.com/article/20170814-XKVLPCBW65MJNBKCXOBBIMPRGA/
運動面の不利は統計的に見ても明らかで、遅生まれと早生まれをアスリートの数で比べると圧倒的に遅生まれが多くなります。もちろん統計的に見てということなので、早生まれでもアスリートになっている方も大勢いらっしゃいます。
身長・体重や運動能力は幼少期に1年ほどの差がやはり大きくて、同じように走らせたり、ボールを扱わせたりすれば、より成長を遂げた遅生まれの子の方が勝つ可能性は高いでしょう。ただ、その差は徐々に接近していきます。
![](https://www.kodomokoukou.com/wp-content/uploads/2023/11/3688943_s.jpg)
では、どうしてアスリートには遅生まれの人が多いのでしょう。
それは人格の形成に大切な時期に「徒競走」など、周りの子と比べることが多く、どうしてもその時点で体格や身体能力に優れている遅生まれの方がよくできるでしょう。すると、その子は「僕ってよくできるんだ!」「褒められるとうれしいな。もっと頑張ろう!」と努力を自然と重ね、能力開発の好循環となります。また、自己肯定感も養われ、自信をもち、携わったスポーツが好きになりアスリートへと成長していくのです。
逆に、同学年の子と比べられ、いつも悔しい思いをせざるを得ない早生まれの子は、「どうせ、いくら頑張ってもダメなんだ…」と自分をできない人間のように勘違いしてしまいます。すると自己肯定感が低くなりがちで、自身もなくなり、スポーツを嫌いがちになるのです。
私は、この自己肯定感を養うことが最も大きな要因だと思います。大人になるころには、人生の1年の価値は相対的に減っていくので、身体能力の差はほぼ気にならなくなります。しかし、アスリートになる子は遅生まれが多いのです。それは、やはり精神的な問題が大きいのかと思います。
では、早生まれの子はどのように育てたらいいですか?
早生まれとか、気にしないことですね。学校制度が4月始まりになっているので仕方がないのです。子どもに過度なプレッシャーを与えないことが大事です。
とにかく、気にしないことですね。制度上の問題を悔やんでも仕方がありません。
ただ、自己肯定感は遅生まれの子と比べると、少し育みにくいかもしれないので、その点は注意が必要です。
例え体格に勝る4月生まれの子に徒競走で負けてしまっても、「大丈夫、そのうち勝てるよ!」とか、ただ、「よく頑張って走ったね。かっこよかったよ!」と子どもを励まし続けるのがいいですね。
世の中、理不尽なことや不平等なことであふれています。学年の分け方も不平等なことの1つでしょう。しかたがないとあきらめて、子どもに自信をもたせるような声掛けを普段からしていきましょう!