教育

教員不足はなぜ起こったの?

教員不足の本質と原因は何ですか?

長年、教員の仕事が増え続け、ブラック職場という印象が知れ渡り、教員を志す人が減っているからではないしょうか?

ここ数年、教員不足が深刻になってきていますよね。

私も昨年度末で早期退職しましたので、もしかしたらその一因になっているかもしれません。

ただし、早期退職の意思を伝えたのは、昨年10月ぐらいだったので、多分、今年度の人員配置の計画に支障はなかったと思います。

教員不足の原因はズバリ教員の人気が大きく下落したことによります。

教員は一昔前は、なりたくてもなれない人気職業でした。それほど優秀でない私は採用試験を何度も何度も落ちました。試験は2次試験まであるのですが、1次試験は通っても2次試験で落とされることが2回もありました。

でもその翌年は、臨時採用教員として勤務しました。

教員は、基本的に定年まで雇用される正規教員と、1年ごとに雇用契約を更新する臨時採用教員に分かれます。

採用試験に落ちても、臨時採用教員の名簿に登録すれば、3月のある時期に「4月から〇〇小学校に勤務してほしいのですが、お願いできますか。」と市教委の学務課の方から連絡があります。そこでOKすれば、4月から1年間雇用が確定します。仕事内容は正規教員とほぼ同じですが、同じ学校での勤務が1年~2年と短いため、責任の重い校務分掌は持たされないことが多いです。

このような臨時採用教員は結構います。

理由は簡単です。年度途中で退職した教員の代わり、病気等で休職中の教員の代わり、産休、育休中の教員の代わり、保留学級の分の教員はすべて臨時採用教員が勤めるのです。(※保留学級とは、3月の時点であと1人か2人転校等でいなくなると、学級数が減ってしまうクラスのことです。)

近年、病休で一時的に学校を離れる方や、産休・育休でお休みを年単位でとられる方は増えています。小規模の学校(200人〜300人くらい)でも育休2~3人とか普通にあります。

教職員は福利厚生が充実しているので、育児休暇を結構長く取れます。育児休暇中に再び産休、育休を取られる方も多いです。

しかし、近年「ブラック職場だ!」との声が高まり、教員を目指す人が少なくなりました。それでも教員採用試験の倍率は、小学校では2倍から3倍はあるので(地方自治体による)、4月時点で教員不足になることは、あまり考えられません。必要な教員数を採用すればいいだけのことですから(質を無視すれば・・・)。

問題は、臨時採用教員の不足です。

採用試験は何度でも受けられるので、受け続けてさえいればいつか採用されます(多分)。しかし、臨時採用教員がどんどん採用されれば、必ず必要な臨時採用教員が不足してきます。特に、年度の途中で病休や退職、産休や育休に入られる先生の代わりとなる臨時採用教員が不足してきます。

そもそも年度の途中まで仕事をしていなくて、○月○日から〇〇小学校で、産休代替として勤められる人ってどれだけいるのでしょうか。普通いませんよね?学校に勤める前にどこにも勤めていない人なんて。(あるいはちょうどいいタイミングでやめる人とか…。)

ですから、教育委員会学務課の方や、校長、教頭(副校長)は、必死になって勤めてもらえそうな人に電話をかけまくっているのです。

例えば、中学校の教員免許しかなくても、臨時免許を発行してもらえれば小学校でも勤められるという裏技もあります。

教員不足の解決策

教員不足の解決策ですが、すぐに効く特効薬はありません。治るのに時間がかかります。夏風邪と同じです。

よく「定額働かせ放題」と揶揄される「給特法」がやり玉に挙げられますが、「給特法」の改正も非常に重要ですが、それ以外にも問題解決の糸口があると考えています。

私が考える解決策を3つ挙げてみます。

  1. 文科省が思い切って、指導内容を大幅に削除し、教員の勤務時間を減らす。(持ち帰りではなく、学校で教材研究や授業準備の時間を確保する。)
  2. 理不尽なクレームを言ってくる保護者に対応する弁護士を少なくとも学区ごとに配置、 あるいは契約する。(教員が心を病む原因の多くは保護者対応で、近年ますますひどくなっている。)
  3. 教員が働く現場にはネガティブなイメージが定着しつつありますが、ポジティブイメージを定着させるようにする。(教員の仕事は大変なことも多いですが、やりがいも多いし、給料も悪くありません。福利厚生はかなり充実しています。保護者のクレーム等が減れば、結構いい職業と断言できます!)

参考になる書籍をあげておきます。

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ABOUT ME
kodomokoukoushiyouze
元凡人小学校教員。長男の小学校入学を機に、勧奨退職(早期退職)。多くの子育て本、教育本から得た知識と20年超の教職経験、子育て経験から『主に10歳くらいまでの子育て世代』へ向けて『子育てや教育』に関する情報を発信していきます。
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