子育てにはやるべきことがたくさんありますよね。 その中でも一番大切なことは何でしょう?
「これから子育てをが始まるんですが、子育てをしていく上で、一番大切なものって何でしょうか?」
んーん。あまりに漠然としていて、よくわかりにくいですね。
「しっかりと学力をつけさせること」「社会に出て困らないように道徳心を身に付けさせること」「バランスの良い食事を与え、心身ともに健康に育てること」
いろいろと考えられますよね。
これにもはっきりと答えがあります。(もちろん個人的な見解ではありますが)
ズバリ、「愛着」を育むこと です!
これは、いろいろな書籍で述べられていることです。もう疑いの余地がありません。
例えば、「愛着の子育て」 ダニエル・j・シーゲル ティナ・ペイン・ブライソン著とい書籍があります。その中で、このようなことが書かれています。(p18)
子どもの発達に関する研究では、幸福度、社会的、情緒発達、リーダーシップ、コミュニケーション能力、さらには学業や仕事での成功などの面から、子どもがどう育つのか最もよい判断材料は、少なくとも1人の大人と確かな愛着を築けたかどうかであることがはっきり示されている。
「愛着の子育て」 著者 ダニエル・j・シーゲル ティナ・ペイン・ブライソン 桐谷知未訳 発行 大和書房
また、我が子育ての師匠ー佐々木 正美先生ーは「はじまりは愛着から」(福音館書店)という書籍で、このようなことをおっしゃってます。(p24)
人間が「人を信じ、自分を信じて」生きていくための基本的な感情が愛着です。子どもが母親に抱く愛着感情は、母親の顔色をうかがいながらふるまったり話したりしなくてはならない環境では、けっして身につきません。望んだまま愛され、本音でものが言えるように育てられて初めて、愛着の感情は子どもの心に豊かに育っていきます。
「はじまりは愛着から」 著者 佐々木 正美 発行 福音館書店
第1子が誕生したとき、よく読んでいた書籍に「幸せになる脳はだっこで育つ」(山口 創)があります。その本の中にも「愛着」という言葉が使われていました。(P39)
親との愛着関係を築くのにとくに重要なのが生後半年から二歳くらいまでです。
愛着関係とは、「特定の養育者との間につくられる心のきずな」をいい、愛着関係がうまく育たないと、成長してからさまざまな精神的障害や問題行動が出てくることが知られています。
それだけに乳児の時期のあたたかなスキンシップは、子どもの発達に大きな意味と役割をもちます。
「幸せになる脳はだっこで育つ」 著者 山口 創 発行 廣済堂出版
なお、スキンシップは赤ちゃん期を過ぎたからもう遅いということはないそうです。たぷりスキンシップをとってください。
「人生の基盤は妊娠中から3歳までに決まる」では、授業のまとめのようなことが書かれています。
以上、愛着関係を築くことが子育てで最も大切なこととわかってもらえたと思います。
愛着を育めた子どもは、人間関係のベースともいえる「基本的信頼」を覚えます。
母親を「いつでも帰ることができる安全基地、母港」として、心の支えにすることができます。すると、身体の成長と発達に合わせて、好奇心のおもむくままに行動範囲を広げて、外海に向かって船出していけるようになります。
「人生の基盤は妊娠中から3歳までに決まる」 著者 白川 嘉継 発行 東洋経済新報社
では、具体的にどんなことをすればよいのでしょうか。
以下の5つをスキンシップを伴いながら行うのが良いのではないでしょうか。
- 子どもがしていることを見守る(常に「見てるよー」と気にかける)
- ほほ笑みを返す(子どもと笑顔の交換)
- 泣いたらあやす(抱きぐせがついても構わない)
- できるまで待つ(親があせれば逆に発達や成長は遅れる)
- いっしょに遊ぶ(親との遊びが友達との遊びの練習に)
※佐々木 正美先生監修の「3歳までの子育てに大切なたった5つのこと」(講談社)より
さらに佐々木先生は、「将来のことを考えて子育てをする」よりも「いまこの子を幸せにしてあげようと思い、心をかける」ことを大切にしてほしいと繰り返し述べています。
その瞬間の積み重ねが子どもの心を育てるのだと・・・。
「あなたの将来のことを思って言っているのよ!」「そんなんじゃ、ろくな大人にならないわよ!」「今我慢しないと、将来もっと大変な思いをするのよ!」
こんなこと言ってませんか?つい言ってしまいますよね。「子どもの将来」は大切ですが、あまり先のことをあまり言っても子どもには響かないんですよね。実感がわかないというか、想像できないというか…。やはり今この瞬間を大切にしないといけませんね。