子育て

子育てでしない方がよいことは?

子育てをしていると、よくないだろうなと思っていても、ついやってしまうことありませんか。

完璧な子育てをしている家庭ってあるのでしょうか。多分ないと思います。

どんな家庭も何かしらうまくいかない、理想の子育てとは違う、というような悩みを抱えているのではないでしょうか。

うちもそうですね。たくさんの本を読み、多くの教職経験を重ねても、子ども一人一人に個性がありますので、「これをしたらうまくいく」というような実践例も、自分の子には当てはまらなかったり、思い通りにはならなかったりします。

しかし、「やらないほうがよい」というのはどうでしょうか。

これをしないだけで、少しでも理想の子育てに近づくのなら努力できませんか。

ズバリ、子育てでやらないほうがよいこと・・・感情的に叱る です。

以前、「厳しい子育て」を否定した記事を書きました。それと被るところがありますが、感情的に叱ることは極力やめた方がいいです。

その理由を3つ挙げます。

  1. 叱っている本人の不満を吐き出しているだけとなり、その教育効果もほぼないから。
  2. 叱られている子には、叱られている状況をを早く終わらせることしか考えないから。
  3. 叱ることは、依存性があるから。(大きな充足感がある)

理由を簡単に説明します。

  1. 叱っている本人は、叱る対象(子ども)に対し、正しくない行いを正そうとして叱ります。その場合、相手が変わってくれればいいわけですが、なかなかそうはいきません。基本的に人を変えようとしても変えられないからです。叱られている人(子)が自分で行いを正そうとしない限り、変わりません。結局叱る側の空回りで終わります。
  2. 感情的に叱ってしまうと、叱られている本人はその状況を早く収めようとして、「はい、わかりました」「すみませんでした」「もうしません」と言って、謝るのです。逃げるといってもいいでしょう。表面上は変わったように見えても、結局何も変わらないのです。また、相手に対して敵対心が芽生え、関係が悪化する可能性があります。これは、学級における担任の先生とクラスの児童の間でも同じです。担任の先生が感情的に叱ってばかりいると、正しい行いが増えるどころか、関係がどんどん悪化していきます。クラスの雰囲気もどんどん悪くなっていきます。学級崩壊に向かうことになるでしょう。
  3. 叱って、形の上では反省しているように見えたり、行動を改めようと見えることがあります。そうすると、叱った本人は「よし、叱った効果があったぞ。」と自分の行動に満足感を覚えます。また、「叱られるようなことをした子をしかりつけてやった」という相手を懲らしめてやったという喜びの感情も湧いてくるのです。これらが気持ちよくて、「叱ること」に依存してしまうのです。

みなさんの周りにいませんか?しょっちゅう叱り(怒り)まくっている人。完全に依存症ですよね。私の過去の同僚にもいました。みんな腫れ物にさわるように接してました。

「怒り」に関して参考にした書籍で、紹介したいものが2冊あります。

1冊目「〈叱る依存〉がとまらない」 著者 村中直人 紀伊国屋書店発行

「怒り」の本質がよくわかる一冊です。Part4「〈叱る依存におちいらないために〉」は是非とも多くの人に読んでもらいたいです。きっと日本社会がよりよくなります。

: 子育てでしない方がよいことは?

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2冊目「子どもを叱り続ける人が知らない『5つの原則』」著者 石田勝則 discover発行

子育てに関しての多くの相談に、「問題の原因」と「解決策」を挙げて答えています。

ちなみに教育現場では、「『怒る』のではなく、『叱る』のです」とよく言われますが、この本の中でも、「怒る」と「叱る」はほぼ同じという捉え方をしています。

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ちなみに5つの原則とは

  1. 自分とまったく同じ価値観の人はいない
  2. 強制されたことは、やらない。やったとしても、形だけになる
  3. 人間には、最低3つの長所がある
  4. 親は成長が止まっているが、子どもは成長している
  5. まず、「諭す」。「叱る」「怒る」は非常時のみ

両方とも素晴らしい本なので、ぜひ読んでみてください。

また、我が子育ての師匠、佐々木正美先生は著書の中でこう述べられています。(大事なところは太字にしています)

臨床の現場でたくさんの親子をみてきて、これだけは確かだ、と思っていることがあります。それは、子どもをしかっている間は、「しかられなくていい子」にはならないということです。しかればしかるほど、もっともっと「しかられる子」になります。

しかりたくてしかている親はいないでしょう。でも多くの親は、「しからないで育てるなんてできない」と思い込んでいます。確かに子どもはしかられるような行動をします。だから親は「子どもがしかられるような行動をやめてくれたら、わたしもしからずにすむ」と考えます。子どもに先に変わってもらおうと、そう思っているのです。

でも、変わるのは親のほうが先です。順番は、必ず大人からです。子どもよりも大人のほうが、先に変わることができるからです。

親が子どもをしからなくなれば、少したってから子どもは、しかられるような行動を減らし始めます。親がしからなくなって初めて、子どもの行動が変わっていくのです。しかり続けているうちは、子どもはしかられるような行動をけっしてやめません。

(中略)

「こんなことは、するんじゃないよ」「こうしたらいいんだよ」と言うのはいいのです。ただ、怒ったり、どなったり、命令したりするように言う必要はありません。

「この子はこの子のままでいいと思える本」 著者 佐々木正美 発行 (株)主婦の友社

でも子育てをしていると、感情的に叱ってしまうことありますよね

大丈夫です。後からしっかりフォローしておきましょう。子どもが胸の中にもやもやした気持ちを持ち続けることはよくないので、「きつく言ってごめんね。」と謝っておくのが良いでしょう。

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ABOUT ME
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元凡人小学校教員。長男の小学校入学を機に、勧奨退職(早期退職)。多くの子育て本、教育本から得た知識と20年超の教職経験、子育て経験から『主に10歳くらいまでの子育て世代』へ向けて『子育てや教育』に関する情報を発信していきます。
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