子どもの仕事は「遊ぶこと」。お子さんはたくさん遊んでいますか?
子どもにとって、遊びは習い事よりずっと重要です。
あなたのお子さんは、元気に遊んでいますか?
小学校に教諭として勤めていたころ、子どもといろいろと話をする中で常に心に抱いていたこと。それは、「子どもたち、もっともっと遊べばいいのに・・・。」という「遊ぶ経験の少なさ」についての違和感でした。
どうしても自分が小学生だった頃と比べてしまうので良くないのですが、今の子たちは控えめに言っても遊びが少なすぎます。特に友だちとの外遊び。私の子どものころは、小学校中学年くらいまでは年中遊んでいました。勉強の記憶はほとんどなく、遊んだ記憶しかありません。
鬼ごっこ系の遊び、ドッジボール、サッカー、遊具遊び、こま回しなどの昔遊び、木登り、自然を生かした遊び、魚採りや虫取りなどなど、楽しそうな遊びはほとんどしました。そうそう、ちゃんと秘密基地も作っていましたよ、田舎の方でしたから。遊ぶのが楽しくて友だちがいる学校に行っていたようなものです。
今思うと、たくさん遊ぶ中で体力もコミュニケーション能力もついてきたと思います。
最近の子どもたちの様子を見ていて驚かされるのは、友だちと一緒にいても、それぞれの携帯ゲーム機(Nintendo Switchとか)で別々に遊んでいることですね。もしかしたらオンラインで繋がっているのかもしれませんが、違和感しかありません。
ゲームそのものは否定しないし、役に立つこともあるだろうから、節度をもってやればいいんです。しかし、学童時期なら外で元気に関わり合いながら遊んでほしいと思います。
教育家として活躍されている小川大介さんの著書に「遊び」について書かれており、共感する内容なので紹介します。
そもそも子どもは、大人に何かしてもらうことで育つのではなく、放っておいても自分で育つ力を持っています。遊び時間をたっぷりと持たせてあげることで、自ら育つ力はますます発揮されます。
親御さんたちの中には、「遊び」を「勉強」の反対だと思っている方や、「遊び」より「勉強」の方が大事だとお考えの方がいますが、それは違います。遊びは子どもが自ら育つ回路をスムーズに働かせるためにとても大切なもので、遊ぶからこそ勉強もできるわけです。
「自分で学べる子の親がやっている『見守る』子育て」 著者 小川大介 発行 株式会社KADOKAWA
子どもたちにとっては、遊びは単なる楽しみ以上に価値ある学びなのですね。
我が子育ての師匠、佐々木正美先生もこうおっしゃっています。
子どもの精神科で働く私たちから見れば、現代の学校教育制度のなかでは、学ぶことが苦痛以外の何ものでもないという子どもは、けっして少なくないのです。
子どもはまず、子ども同士で十分に遊ぶことが必要です。遊びのなかで、友だちから学び、友だちに教えることによって、社会的な経験を経て、それから学校式の勉強に励むようになるのが自然なのです。
大人たちは、子どもが大人から学ぶことを大きく評価しすぎています。もちろん、知識や技術が増えることは、価値が高いことです。しかし、遊ぶことがまるで一種の罪悪であるかのような風潮や価値観のなかで、「勉強、勉強」と追い立てて育てることで、子どもの健全な人格の育ちが犠牲になってしまうのは不幸なことです。
「はじまりは愛着から」 著者 佐々木正美 発行 福音館書店
昔には戻れませんから、今どうすべきか考えることが大切ですね。
遊び不足を解消するための4つの方策
- 親が子どもを外に連れ出す(週末は公園に、雨なら児童館や室内遊び場へ)
- ママ友、パパ友と連絡し合い、週末一緒に遊ばせる(やはり公園がいいですが、一緒にプールに行くとか、地域のイベントなどに参加するとか)
- 学区内の公園に放課後連れ出す(両親のどちらかが放課後在宅なら。学区内の公園にクラスメイトがいる可能性が高いです。小さな公園でもOKです)
- 学校の休み時間を5分でいいから増やす。(掃除を朝の活動に組み入れるか、5分減らす。保護者も学校の休み時間も増やすよう、要望を出しましょう。)
現在は、子どもだけで遊びに行かせられるのは、高学年くらいからですよね。私は低学年から自転車で結構遠くまで遊びに行ってましたが、今は安全面を考え、難しいと思います。
その場合、やはり親が連れ出すしかないと思います。あるいは、祖父母に頼んでもいいかもしれません。あまり習い事をしていない低学年こそ、どんどん公園に連れ出して、同年代の子たちと遊ばせたいものです。
私は、週末に連れ出す公園の候補は合計10か所ほどあります(大規模5か所、中小規模5か所)。他にも児童館2か所、室内遊び場5か所あります。これだけあって、適度にローテーションすれば、場所や遊具等に飽きることもなく、存分に遊ぶことができます(土日それぞれ午前中だけですが…)。
この夏はかなり暑かったので、室内遊び場にはかなり助けられました。少しお金はかかりますが、子どもが安全に体を動かすことができるというのは、本当に貴重です。ちなみに室内遊び場のサブスク(定額サービス)にも入っています。
みなさんも是非、子どもがたくさん遊べるような環境を整えて(提供して)あげてみてください。