よく「テストで100点をとったら、100円あげる」と言ってご褒美で釣って勉強させるケースがあるけど、それって大丈夫なの?
はい、大丈夫です。ただ、そのご褒美の与え方に工夫が必要です!
これも小学生くらいでよくあるケースですね。私も小学生の頃、ご褒美(テストで100点を取ったら100円)をもらって勉強頑張った記憶があります。
ご褒美で釣って勉強させるのは、最近の研究では良いとされています。
私が尊敬する中室牧子先生の著書「学力の経済学」のP27〜に書かれておりますので、是非御覧になってください。
この本に書かれている研究内容を説明します。
ハーバード大学のフライヤー教授は、ご褒美と学力向上の因果関係を明らかにする実験を行ってきました。
①「テストでよい点を取ればご褒美をあげます」
②「本を1冊読んだらご褒美をあげます」
上の2つのうち、どちらの方が子どもの学力を上げる効果があるでしょうか。
普通、テストでよい点を取ればいいのなら、頑張って勉強してご褒美をもらおうとしますよね。簡単ですよね。
正解は・・・②「本を1冊読んだらご褒美をあげます」の方です。
えーっ、どうして②の方が学力向上に役立つのでしょうか。読書にはそれだけ学力向上の効果があるの?
そういうことではないのです。それは、具体的に何をしたらよいかが明確だからです。このような、過程にご褒美をあげることを「インプット」にご褒美を与えると言います。
「インプット」の例としては、「1時間勉強したら」「宿題を終えたら」「問題集を1ページ解いたら」などです。
つまり、ご褒美を与える場合、インプットに対してご褒美を与えるのが学力を向上させる効果が高いと言えます。
逆に①「テストでよい点を取ればご褒美をあげます」のような結果に対してご褒美を与えることを、「アウトプット」にご褒美を与えると言います。
①の「アウトプット」にご褒美を与える場合、具体的に何をしたらよいかが分からないことが学力向上を妨げる原因となります。
よって、「テストでよい点を取るための勉強の仕方」を教える人がいれば、①のパターンでも学力が向上するそうです。
また、次の3つもご褒美に関するエビデンスです。
- ご褒美は「勉強する楽しさ」を失わせない
- 子どもが小さいうちは、お金のご褒美よりトロフィーのように「子どものやる気を刺激するようなもの」がよい
- ご褒美は遠い将来にあげるのではなく、近い将来の方が効果が高い
以上のように、ご褒美は子どものやる気を向上させるよい手段になり得ます。私が小学生の頃に与えられたご褒美(テストで100点を取ったら100円あげる)は本当はよくなかったのですね・・・。
ご褒美の与え方に気を付けて、うまく子どものやる気を出させてあげてみてください。子どもの学力は貴重な財産となります。使えるものは何でも使いましょう。