最近、宿題についていろいろと言われてますが、実際のところ、どうなんでしょう?宿題、必要ですか?
宿題が必要なのは、学力的に低位にいる子たちですね。学力的に上位にいる子たちには、なくても困らないでしょう。
教員の働き方改革のために、宿題を減らそう、なくそうという取り組みが進んでいます。
これ自体は悪くない流れかなと思います。ただ、結局教員の負担軽減のための「宿題廃止論」であるのなら、きっと子どもたち全体にとっては良くないでしょう。
その理由を3つ挙げます。
- 学力低位の子には、全く家庭学習の習慣がつかない(学習時間0になります)。
- 漢字の習熟がさらにひどくなる(漢字の50問テストでまさかの30点以下…)。
- 計算の習熟が進まない(現状の授業では、習熟を図るのは期待できません)。
私個人としては、宿題はなくても構わないと思っています。ただ、教育現場の現状を考えると、ある程度の宿題はあった方がいいと思います。
宿題がなくなれば、子どもの基礎学力は今よりもさらに低下するでしょう。というより格差がますます大きくなります。
理由は簡単です。説明します。
学力上位の子は、つまらない宿題がなくなり、塾、通信教育などの課題等に全力を注ぐことができます。あるいは読書の時間を増やすでしょう。するとさらに学力が上がります。
学力低位の子は、宿題をする時間がそのままゲームかYouTube視聴時間に変わるだけです。
「水は低きに流れ、人は易きに流れる」…そう、学力低位の子は、簡単に楽な方、楽な方に行ってしまうのです。その結果、格差は大きくなります。
しかし、教員が宿題を出す立場なのに、逆に負担に感じているのは事実です。時間がまったくない中、丸付けをしたり、提出状況をチェックしたり、未提出の児童に休み時間にやらせたりしています。そう、多くの教員は5分ちょっとで給食を食べ、丸付けをします。
教員の働き方改革を考えた上での解決策を3つ挙げます
- タブレット等で、自動的に丸付けをしてくれ、提出の管理が簡単なものに限定(ベネッセさんのドリルパークなどの自分で学習を完結できるもの)
- あまり意味のない、音読や体育的宿題をやめる(カードに保護者印を押すの、あまり意味なくないですか?)
- 宿題チェックにバーコード等のICT技術を学校単位で行う(ネット上でやり方があがっています 学校単位で取り組まないとダメです)
どうでしょうか。
宿題は確実に縮小へと進んでいくはずです。今はいかに教員の負担を軽減するかがとても大切だからです。
教員不足、教員の質の低下、授業の質の低下(教員だけの問題ではなく)などによって、公立の小学校では、ますます学力が低下することが予想されます。
ですから、少子化にもかかわらず、首都圏での中学受験の応募者数が上昇しているんですよね。
近い将来、公立小学校で宿題がなくなったら、ますます家庭での教育が大事になってきますね。乳幼児の子をもつママさん、パパさん、今から備えておいた方がいいかもしれません。(以下広告です)